春の花の記事もようやく一段落してきたので、昨年から今年の春までにわが家の花壇を彩ってくれた、初心者でも育てやすい一年草をまとめてみる。
自分の庭づくりの基本方針としては、多年草・宿根草が花期を迎えるにつれて順に花を咲かせていきながら、残りのスペースに華やかな一年草を植えていく、というやり方である。
ここではガーデニング1年目の自分でも問題なく育てられたような植物を紹介してみようと思う。
一年草と多年草・宿根草の比較
一年草
・ 苗や種を植えて、1年間(というか1シーズン)だけ楽しむ植物
・ 花期が長め(3~4ヶ月とか)のものが多い
・ 本来は多年草だが、日本の夏や冬を越しにくいので一年草扱いになっているものも多い。
多年草・宿根草
・ 一度植えると、ずっと(または2〜3年とか)その場で育ち、季節になると毎年花を咲かせてくれる。
・ 常緑で一年中緑を茂らせているものもあれば、冬には一旦地上部がなくなり、春になると再び葉を出してくるものもある。
・ 本来の分類としては、「多年草」の中に「宿根草」も入っている、という感じなのだろうが、自分は「常緑のもの…多年草」「冬は地上部がなくなるもの…宿根草」というイメージで分けている。
・ 花期はそれほど長くないものが多い。平均的には1ヶ月くらいか。
全てを多年草・宿根草にした方が新たに苗を購入する手間は省けるが、そうすると華やかさに欠けがち。
多年草がその季節ごとに花を咲かせながら、すき間を一年草で埋めていく方式を採用している。
※ 以下、個別記事があるものは青字でリンクを貼ってあります。育て方や成長記録の詳細については、そちらもご覧頂けると嬉しいです。
春の育てやすい一年草
パンジー・ビオラ
冬~春の花壇の定番中の定番。
1年目は何も知らず、ノーブランドのものを中心に植えた。それでもそれなりに楽しませてくれたが、2年目には「虹色スミレ」 「絵になるスミレ」 「よく咲くスミレ」といったラベル付きの苗を積極的に購入してみた。
結果としては、やはりやや割高な分、花つきや株張りが全く別種と思えるほどに違っていた。「初心者なのでまずは安いものから…」と考えがちだが、初心者こそ、ラベル付きの苗がおすすめ。
こちらは虹色スミレと絵になるスミレ。普通のパンジーと比べてパステルカラーやフリル咲きで、見ていて楽しい。
ときどき思いついたように水やりや液肥をやった程度で、手間いらずで冬~春の花壇を賑やかにしてくれた。
こちらはビオラ「ガゼルのかけっこ」。ウサギのような花が素敵!
想像以上に株が広がり、花数も多く大満足!
マーガレット
春のガーデニングの定番。
黄色い花の中心部に、白い花びらがいかにも「お花」という感じ。
(ピンクや黄色の花の品種もある)
ラベル無しのものでも十分楽しめるが、やはりラベル付きのマーガレットは花つきが違い、自然に花いっぱいになって楽しめる。
本来は多年草で、うまく冬越しできれば翌年も楽しめるが、毎年新しい苗を買った方が気楽かも。毎年買った方が様々な色を試す楽しみもあるし。
ガーデンプリムラ
よく売られているプリムラジュリアンよりも草丈が高く、花も大きい。
正式名称は「ガーデンプリムラ・アラカルトシュシュ」。
昨シーズンは黄色の品種を買ったが、白や紫などもあるのでお好みで。
花壇のすぐ内側(壁際)にプリムラジュリアンを植えると少し隠れがちになるが、この品種だとしっかりと花壇の前面を飾ってくれる。
早春のまだ寒い時期から花を咲かせてくれるが、暖かくなるにつれてさらに株も成長して賑やかになる。
チューリップ
チューリップと言えば、子どもでも知っている花の定番中の定番だが、品種改良の成果でさまざまな形や色の花が出回っている。
冬に球根を植えてから花が咲くまでわりと時間がかかる。
春、忘れた頃に芽吹いているのを見ると嬉しさでいっぱいになる。
ちゃんと育てるならば、花が終わって葉が枯れたら球根を掘り出して保管しておき、晩秋~冬にまた植えると何度か楽しめる。
植えっぱなしでも翌年も咲いたりする。
ズボラなのでわが家では植えっぱなし。実際に翌年も咲きました。
原種系とよばれる品種は、植えっぱなしでも毎年咲く率が高いらしい。
そのうち試してみたい。
ネモフィラ
寒いうちはわずかな葉を出しているだけであまり変化がないが、暖かくなってくると予想以上に広がる。
植え付け時はある程度スペースを確保しておいた方がよい。
通常の緑の葉のものに加え、シルバーリーフの品種(自分が植えたのはネモフィラ・プラチナスカイ)もあるのでお好みで。
カレンジュラ ”寒さ知らず”
冬に咲くカレンジュラとして有名なのは「冬知らず(フユシラズ)」という品種だと思うが、冬知らずは花の大きさが2〜3 cm程度である。
それに対し、このカレンジュラ「寒さ知らず」は、名前は似ているものの、花の大きさが5~6 cmくらいはあり、冬の寂しい花壇にしっかりとした存在感を示してくれる。
わが家では1月~5月の長い間、庭の一角に山吹色の花を咲かせ続けてくれた。
マイナーな品種(またはまだ流通し始めたばかりなのかもしれない)らしく、ネットで検索してもほとんど情報が出てこない。
園芸店でこのラベルを見つけたら「ラッキー!」という感じだと思うので、ぜひ一度育ててみることをおすすめする。
一年草として紹介したが、うまく夏越しできれば多年草としても扱えるかもしれない。
夏の育てやすい一年草
ペチュニア
夏のガーデニングの定番。
花の形はアサガオに似ていて、品種改良によって色や模様もたくさんの種類がある。
夏の暑さにも負けずにたくさんの花を咲かせてくれて大変貴重。
昨シーズンはノーブランドのものを中心に植えたが、今シーズンはサフィニアなどのブランド苗を試している。
ラベル付きのブランド苗は少々値が張るが、花色等だけでなく育てやすさの面からも初心者におすすめ!
( ↓ ペチュニアの記事一覧はこちら!)
ニチニチソウ
ペチュニアと並んで、夏のガーデニングの定番。ビンカという名でも流通。
毎日、次々とたくさんの花を咲かせてくれる。
日光が大好きなので、日当たりがいいところに。
こちらも昨シーズンはラベル無しのものを中心に買ったが、今年は「ビンカ・タトゥー」などのブランド苗を試している。
初心者は、やはりラベル付きのブランド苗が育てやすくておすすめである。
( ↓ ニチニチソウの記事一覧はこちら!)
サンパチェンス
これも夏から秋のガーデニングの定番。
花がニチニチソウとよく似ているが、こちらはやや強い日差しに弱いので、半日陰くらいがよさそう。
少し日差しに強く品種改良されているとのことだが、それでも植え付けからしばらくは水切れすることがあったので、日が当たり過ぎない場所の方がよさそう。
冬の育てやすい一年草
ノースポール
マーガレットの白花そっくりの花を、株いっぱいに咲かせてくれる。
冬でも花は咲き続けてくれるが、寒いうちは株の成長はそれほどでもない。
少し暖かくなってくると本領発揮で、大きくなった株に、葉が見えなくなるほどのたくさんの花が咲く。
ローダンセマム
ローダンセマムは本来は多年草で、上手に育てれば翌年も花を咲かせてくれるが、一年草扱いと考えて毎年買った方が気楽かも。
昨年購入したのは「ローダンセマム・リルピンク」。
シルバーリーフに、紫がかったピンク色の花が素敵な品種。
花期が長いもの
1000輪咲きヒマワリ・サンビリーバブル
正式名称は「1000輪咲きヒマワリ・サンビリーバブル・ブラウンアイガール」。
ヒマワリなので夏のガーデニングの欄に入れてもよかったのだが…。この品種は初夏~晩秋まで咲き続けるのでこちらに。
縦横1mくらいの株張りで、次々に10 cmくらいのミニヒマワリの花が咲き続けてくれる。
普通の大きくなるヒマワリに比べると、洋風のガーデニングにもよく調和してくれると思う。
地植えが望ましいが、大きめの鉢なら鉢植えでも可能。
想像以上の花数と成長なので、満足度はとても高い。園芸店で見かけたら一度は植えてみることをおすすめする。
100輪咲きヒマワリ・サンフィニティ
前述のサンビリーバブルと似ているが、こちらも多花性のミニヒマワリ。
このサンフィニティも初夏~秋まで、10 cmくらいの小型のヒマワリの花を株いっぱいに咲かせてくれる。
最盛期はやはり夏だが、花期が長いのでこちらの項目に。
サンビリーバブルと比べるとやや晩秋の花が少ない気がするものの、明るい花色を長く楽しませてくれる。
花の形は、花の中央(名前が分かりません(笑)。ヒマワリで言うと種ができる部分)の大きさがサンビリーバブルよりも小さめで「いかにもヒマワリ」という印象は少し薄い。その分、黄色いマーガレットのような印象なので、洋風のガーデニングにはよりマッチするのではないだろうか?
フェンス際に植えると、フェンスからこぼれるように咲いてくれて美しい!
フロックス・コンフェッティ
フロックスは本来多年草だが、この品種は冬越しが難しいらしいのでここでは一年草扱いで。
このフロックス・コンフェッティは、大きくなり過ぎずにコンパクトにまとまり、花数も多く育てやすい。
昨年はラベンダー色のものを植えたが、他にも種類があるので、庭の他の花とのバランスで選ぶといいと思う。
花期が長く、春から秋まで長く楽しませてくれる。
おわりに
昨シーズン~今年の春まで、わが家の花壇を彩った一年草をまとめてみた。
一年草は花期が長く、また鮮やかな花を咲かせるものが多いので、花壇の主役になれる。
毎年季節になると同じ花が咲いてくれる多年草・宿根草に対し、一年草は、例えば同じパンジーでも少しずつ品種を変えていく楽しみもある。
「多年草・宿根草が順に咲いていって脇を固めながら、その季節ごとに一年草を植え替えていく」ようにすると、そこそこの手間で見栄えの良い庭がつくれるのではないだろうか?
( ↓ この記事で紹介した一年草の詳細は、こちらのカテゴリ一覧からもどうぞ)