これもガーデニングをしている人には常識・定番だが、興味のない人には全く名前を知られていない植物だろうシリーズ。今回は「ノースポール」を「マーガレットとの違い」も含めて紹介する。
ローダンセマムと並んで、冬にアラリア・サンキングの留守を預かる植物として購入。マーガレット(白)のような花が株いっぱいに咲く。成長してくれれば、猫除けもバッチリである。
※ ちなみに自分は猫嫌いではありません。むしろ好きです!(力強く)
しかし、野良猫に侵入されて庭を荒らされるのは困るんですよね……身勝手なものです。
ノースポールの特徴と育て方
マーガレット(花期は春〜夏)のような、いかにも「お花」という感じの花が、真冬に咲いてくれる貴重な植物。
レウカンセマム属の園芸品種の一つに付けられた商品名が「ノースポール」であるが、もはや植物名のように流通している。
クリサンセマムという旧属名でも流通している。マーガレットだけでなく、ハマギク等にも似ている。
ほぼ放置でも株いっぱいに花を咲かせてくれる初心者向きの植物。
夜や曇り・雨の日は花が閉じており、陽が当たると花が開く。
下写真は朝、開きかけているノースポールの花の様子。
夜に閉じた花が、朝日を浴びて再び開く。
この様子は、朝のわずかな時間しか見られない。
マーガレットとの比較
一年草か多年草か?
マーガレットは多年草で、上手に育てると冬越し・夏越しもできる(が、一年草扱いと考えて毎年買った方が気楽かも)。
ノースポールは基本的に夏には枯れる一年草。
花の比較
左がノースポール、右がマーガレット。
花だけ見ると、ほとんど見分けがつかない。
ここでは白花のマーガレットを紹介しているが、マーガレットには黄色とかピンクとか、いろいろな種類がある。
ノースポールは、白花以外見たことがないな……もしかするとあるのかもしれないが。知っている方がいたら教えてください!
葉をよく見ると…(下写真、赤丸部分を比較)
・ノースポールの葉は短め(3cmくらい)で切れ込みはそれほど深くない。
・マーガレットの葉は長め(10cmくらい)で切れ込みが深く繊細な感じ。
花期
12月〜5月くらい。真冬に咲く点が、園芸的にはマーガレットとの一番の違いか?
大きさ
冬の間は縦横20cmくらいだが暖かくなるとどんどん茂ってくるので、適度に切り戻すと小さく保てる。脇芽が出てこんもりとして花数も増える。
肥料
適度にやった方が花数が増えるらしい。自分は他の花のついでに思い出したように液肥をやる程度。
水やり
乾燥に強いので、庭植えならおそらく不要。
むしろ蒸れに弱いので水のやり過ぎに注意。
耐寒性
高い。冬の地植えでへっちゃら。
植え付け、成長記録
12月末
植え付け。すでにいくつかのつぼみが開きかけ。
2月上旬
かなり花が咲いてきた。葉の数は少し増えたような気がするが、株の大きさ自体はあまり変わらない。
3月上旬
だいぶ花も増えてきたし、株も大きくなってきた。
4月中旬
株を覆うように花が咲き続ける。はっきり言って想像以上である。
植え付け時から、株は相当大きくなった。
見た目の体積で言えば、10倍くらいか?
よく見るとまだ待機しているつぼみがたくさんある。もっと暖かくなると、さらに花いっぱいになるかな?
ついでに…
朝日を浴びて開きかけたノースポールが、家の壁につくっていた芸術作品。ノースポールの裏側にひょろっと伸びている影は、ヒューケラの花。
日射しの向きが変わったら消えてしまう、このひとときだけの影絵。
朝日と花の共同作業による作品である。
芸術作品には、空間芸術と時間芸術がある。
空間芸術…絵画や彫刻など、作成されたらその場に作品が留まり続け、鑑賞し続けることができるもの。
時間芸術…音楽や演劇のように、上演されている時間が過ぎたら消えてなくなってしまうもの。文学も、読みながら前後の文脈とともに変化していくのでこちらに分類される。
「絵画」は空間芸術だと思うが、「影絵」はどちらに分類されるのだろう?
影絵は光を遮ったり対象物をどかしてしまったりすれば消えてしまうので、時間芸術だろうか?
それとも例えば彫刻と照明を固定して、光を当て続けていればそこに作品は留まり続けるのだから、絵画と同じく空間芸術なのだろうか?
この場合さらに事情が複雑なのは、太陽によって朝のひとときだけにつくられた影絵ということである。
この写真を撮った瞬間から10分、20分と経過すると、影絵は刻々とその姿を変えていき、1時間ほど経った後にはもう影も形もなくなってしまう。
それらを考え合わせると、時間芸術のようにも思われるが、どうなのでしょうか?
※ 芸術の専門家でもないのに、偉そうに小難しいことを書いてしまいました。
「影絵は当然〇〇芸術でしょ」のように当たり前に決まっていることでしたら、グダグダとつまらないことを書いて申し訳ありません…(笑)。
おわりに
ほとんど手間いらずで、冬の寂しくなりがちな花壇を飾ってくれる貴重な植物。
一年草なので、冬に宿根草の地上部がなくなったところを守らせる感じで使えそうである(宿根草を掘り返さないように注意!)。
このまま春本番でさらに勢いよく茂り、初夏には茂り始めた宿根草とのバトンタッチが見られるのが楽しみである。
( ↓ 苗が楽ですが、種からだと安くたくさん育てられます!)
( ↓ 初心者でも育てやすい一年草のまとめ記事はこちら!)
( ↓ 同じキク科の植物の成長記録はこちら。どれも魅力的です!)