シクラメンといえばうつむくような独特の花をたくさん咲かせる、冬の風物詩ともいえる植物である。
ただ、耐寒性が高いわけではないので、冬の風物詩といっても基本的には室内で楽しむ必要がある。
庭植え用に耐寒性の高いガーデンシクラメンという品種もあるが、基本的には普通のシクラメンよりもかなり小さめ、ミニシクラメンと同じような大きさである。
ところが、ガーデンシクラメンでありながら、かなり大きく豪華な花を見せてくれる「ドリームスケープ」という品種があることを知り、前々から機会があれば育てたいと思っていた。
そんな矢先、園芸店で苗が並んでいるのを見かけたので、迷うことなく購入、植え付けに至った次第である。
夏越し・冬越しは地植えだと運もあるが、一年草と割り切っても寒い時期に長く咲いてくれて十分に楽しめる、ガーデニング初心者向けの植物である。
ガーデンシクラメン「ドリームスケープ」の特徴と育て方
シクラメンは基本的に室内で育てる植物だが、ガーデンシクラメンは耐寒性が高く改良されていて、庭植えでもよほど寒さが厳しくなければ咲き続けてくれる品種。
(ミニシクラメンはガーデンシクラメンとよく似ているが、これはただ大きさが小さいだけで耐寒性は高くないため注意)
普通のガーデンシクラメンはかなり小型(縦横15 cmくらい)だが、この「ドリームスケープ」は縦横20~25 cmくらいと、かなり大きい。
いわゆる室内向けのシクラメンよりは少し小さめかな、という感じであるが、庭植えできるガーデンシクラメンとしては驚きの大きさである。
ちなみにシクラメンの別名は「ブタノマンジュウ」。
何故そんな名前に……(笑)。
花期
10月~4月くらい。
園芸店には11月くらいからたくさん並び始める。
また、ポツポツとであれば初夏くらいにも咲いたりする。
大きさ
普通のガーデンシクラメンは縦横15 cmくらい。
ドリームスケープは一回り大きい25 cmくらい。
水やり
地植えならほぼ不要。鉢植えなら土が乾いたらたっぷりと。
肥料
植え付け時にマグァンプ。あとは他の花のついでに発酵油かすをまいたことがあった程度。
耐寒性・耐暑性
耐寒性は高い。強い霜に当たるとやや弱るようなので、軒下や大きな木の下などの霜がよけられる場所が望ましいらしい。
耐暑性は高くない。鉢植えなら暑い時期は日陰に移動する。地植えだと植えっぱなしで夏越しできるかどうかは運次第か。夏になると地上部は枯れてなくなり、また涼しくなったら芽吹く。
植え付け、成長記録
昨シーズン(2022秋~2023春)
11月下旬
苗を購入して植え付け。
ピンクと白の2株を植えた。
ちなみに、同時に植えた普通のガーデンシクラメンとの比較がこちら。
明らかに大きく、庭での存在感がある。
1月下旬
2ヶ月ほど、ほぼ買ったままの姿で咲き続けたがさすがに花が枯れてきた。
終わった花は、手で根元のあたりをつかんで、軽くねじると抜ける。
ハサミでカットすると病気の原因になるので、このように花がら摘みをした方がよいらしい。
2月中旬
しばらくすると株の内側から、新しいつぼみが上がってくる。
日に当たることで成長が促されるので、株の中心部に光が当たるように葉を少し広げておく(広げても元に戻ってしまうようならば、内側の葉を外側の葉に引っ掛けたりする)。
また、こまめに葉を周囲に移動させ、花やつぼみを中心部に寄せることで見栄えもよくなる。
これをシクラメンの葉組みという。
3月上旬
どちらかというと白い株の方が元気で、わりと休みなく花を咲かせてくれた。
5月中旬
とはいえ、どちらも5月に入ったくらいでさすがに花が終わりになった。
7月
7月に入ってから、突発的に赤い株の方が少し咲いたりもしたが、下旬にはすっかり地上部が枯れた。
鉢植えなら日陰などに移動するところだが、地植えなのでそのまま植えっぱなしにする。
今シーズン(2023秋~2024春)
12月上旬
そのまま植えっぱなしにしたところ、左の白花の株の方は小さく芽吹いたが、右側のピンクの株はそのまま枯れてしまったらしく、芽は出てこなかった。
仕方ないので、右側には新たに購入したピンク(赤?)の苗を植えた。
※ これで「しばらくしたらまた白とピンクが並んで咲くか……?」と期待したが、芽吹いた白花の方は残念ながらここからあまり大きくなることなく、冬の寒さで枯れてしまった。何とか芽吹きはしたものの、大きく成長して開花するほどの体力は残っていなかったらしい。
ちなみに手前に植えているのは、同じくガーデンシクラメンの「アバニコ」。
こちらは違う品種だが、普通のガーデンシクラメンと比べると結構大きく、ドリームスケープと並んでいても見劣りしない感じ。
1月中旬
新たに購入したピンクの方は、どんどんつぼみを上げながら花数が増えていく。
適宜、前述したように花がら摘みや葉組みもしていく。
3月~4月
少し暖かくなってきても、あまり変わらない姿で咲き続けている。
変化がないのでコメントを書きにくいのだが(笑)、寒い時期からずっと庭を賑わしてくれてありがたい限り。
5月中旬
5月に入り、さすがに花が終わってきた。
このまま植えっぱなしにしてみるが、夏越ししてまた咲いてくれるかどうかは運次第といったところか。
とはいえ、5ヵ月位の長い間、冬の寂しくなる庭を彩ってくれて満足である。
おわりに
大きな花姿が魅力のガーデンシクラメン「ドリームスケープ」。
普通のガーデンシクラメンは今までに何度か育てているが、庭での存在感が段違いで、毎朝庭で眺めていて遠目でも楽しませてくれるので実にありがたかった。
夏越しできるかは運次第だが、一年草と割り切って植えても十分に満足できると思われる。
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